ご無沙汰をしております。更新がかなり滞ってしまいました。この間にも沢山の方々にご訪問を頂いて、恐縮しつつ大変嬉しく思います。ありがとうございます。
だいぶ前の話になりますが。。
ある中学校の金管セクションのレッスンをご依頼頂きました。
今年度から数回目ですが、今年上位大会へ初出場の切符を手にし、その大会前に最後のレッスンとなりました。
顧問の先生からのご希望は、まずコンクールに出場しない1年生を一人一人見て欲しいとの事です。
こういうお考えの先生を顧問に持つ生徒さん達は、本当に幸せだと思います。
午前午後とレッスンが終わり、先生と控え室に戻りました。お話していると戸をノックする音が。
トランペットの1番を吹いている3年生です。
「先生、どうしても見て欲しい事があります!」
もちろん!どんな望みですか?
「高いFの音へリップスラーで上がれないんです」
「Fの音は出るのですけど。。」
Fは出るというのが大きなヒントになりました。
その音を奏でる息やアンブシュア、そしてソルフージュは出来ています。
先ほどのレッスンでも見事に吹いていました。
となると。
口はどっちに開くかな?
「え?し、下ですか?」
うん。ちょっと横から見てみて。口を開けたり閉じたりするから。
「あ!斜め下ですか?」
そうそう!よく見えていますね。
耳の前に顎関節があります。そこに触れてもらって、方向を「思いながら」口を開けたり閉じたりしてもらいました。
ブランコみたいにぶら下がっていて、リップスラーをする時に、そこを動かすのではなく「動いてもいいんだ」と「思って」やってみましょう。
アタマが動いてカラダ全部がついてきて、マウスピースを口につけて、顎は自由に動けて、歌うようにFまで気持ちよく吹いちゃいましょう♪
「エッ??!!」
よく抜けた素晴らしい音ですね。
本人が1番信じられないようです。もう一度吹いてもピタリと。
どうですか?
「三年間、出来なかったのに。。わぁ!」
素晴らしいです!
その笑顔、今でも鮮明に覚えていますよ。
僕も本当に嬉しかったです。
戸の向こうには3年生がまだ順番を待ってくれているようです。
大丈夫、新幹線の終電まではまだ時間があります。
この出会いに感謝しています。ありがとう。