あるトランペット奏者の方とのレッスン。
高音が思った感じに上手く鳴らない、開いた薄っぺらな音になってしまうというご相談でした。
音というのは面白いですね。
形も見えないのに「薄い」などと表現する。
もちろん、仰りたい事は十分に伝わってきますよ。
何はともあれ、聴かせて観させて頂きました。
高音のFからGにかけて、しっかりと音が響いています。
しかし、もっとあたたかで豊かな響きを望んでおられるようでした。
なるほど。
私は「アンブシュア全体の力をより使う」「閉じた唇の中心への圧縮を意識する」事をご提案しました。
「え!?」という表情をされました、が試して頂けました。
ご自身のアンブシュアの理解が深い事と、求めている響きが明確だった事もあり、すぐに豊かで丸みのある響きが鳴り響きました。
望みの音に近づいたようですが、不可解な表情で「あー?!」と。
お話を伺うと、ご自身では「唇の力をより抜こう」とお考えになっていたようです。
私がご提案して実践して頂いたのは「より力を使う」方向。
イメージされていた音を吹くための「息」と「口」のパワーバランス、力の使い方の方向を掴んで頂けたようです。
これからが楽しみですね。
*あくまで個人様の奏法を観察した上でのパーソナルレッスンです。