教え子がまた一人、巣立っていきました。
決しておしゃべりではない彼女から、長い長いお手紙を頂きました。
そこには入学してから今までの、心の内の軌跡が綴られており、それを読みながら、一緒に取り組んだ曲のレッスンがよみがえりました。
音作りや曲想について話すと目を輝かせ、自分がうまくいかない時はよく泣いていましたね。
自分はその時々に、精一杯考えて指導をしているつもりです。もちろんこれからもそうしていきます。しかしそれがよかったのか?それでよかったのか? 別れ多いこの季節に、生徒さん一人一人の顔を思い浮かべると、交わした会話やその時の表情が浮かんできて、自問自答しています。
そんな事を見透かしてか、手紙には下記のような私を励ます言葉がありました。
周りの人間に優しくできる、彼女らしい心遣いを感じました。
「今までやったパウデルト、ギルマン、シュレック、グラーフェ、ヨンゲン、そしてアッペルモントのカラーズは先生との思い出の曲です。先生の音や世界観は絶対に忘れません。自分の人生に音楽は欠かせないと気付かせてくださった先生へ恩返しをするため、もっと音楽を好きになって勉強して長く続けていこうと思います。そして私のような経験をして音楽を楽しいと思ってもらえる人を増やしていきたいです。私に音楽の楽しさを教えて頂きありがとうございました。」
お礼を言うのは僕の方です。
新しい世界で羽ばたいてくださいね。
応援していますよ。